電子制御Aシリーズの完成形となった中級機種の最高峰、A-1。
コンパクトなボディに電子的高性能を閉じ込めた、いかにもキャノンらしい革新的な大ヒットモデルです。今でも
名機F-1とともに多くの方、特にその小さなボディから女性のカメラファンに愛用されているモデルでもあります。ボディ的にはごちゃごちゃいろいろなものが付いているので、好き嫌いが分かれるかもしれませんけど、
私はシンプルなキャノンなんてキャノンと思わないので(笑)、これだけごてごてしてくれるのはキャノンの美学と前向きに受け止め大変好きな趣向です。
なんといっても最大の特徴はAE-1(シャッタースピード優先)からスタートした
マイクロコンピュータを基礎として、シャッタースピード優先、絞り優先のデュアルモードを可能にし、それを含む5つものAEモードと全速電子シャッターを搭載した「技術の詰め合わせ」。こういう大胆なことを考えるのは絶対にキャノンしかないと思います。やたら詰め込みすぎて、実際にはそんなに使わない・・でもカタログには「あれも出来ます!これも出来ます!」と書いてあるから幕の内弁当を勧められた気分で顧客イチコロ(笑)。
これだけ詰め込むと、どこかに手を抜くのがキャノン様(笑)。その辺、
多機能技術とコストを営業的に考えないミノルタとちょっと違うかもしれません。それは電子的に制御された部分にコストがかかれば
機械的な部分にコストカットがなされるわけで、今となっては誰でも知ってる
巻上げトルクの頼りなさ、そしてむしろ代名詞のクォ~ンという「鳴き」の欠点を抱えています。いや、確信犯だから欠点とは思っていないでしょうね。でも根っから騙されることの好きな私は(笑)、あの鳴きが格好良く聞こえてしまうのですから、キャノンという会社は繁栄するわけです(笑)。そしてもうひとつが
燃費(電池消耗)の悪さ。そんなこともキャノンにとっては知ったことじゃないでしょう。ポルシェに燃費をいうな!と切り返されそうです(笑)