CANONとHONDAという会社は業界違えど、どこか似ているような気がします。恐ろしく
偏屈に技術にこだわる部分と、思いっきり
マーケットに迎合したりを備えていて、いい意味で柔軟性のある、悪い意味で優柔不断というイメージを拭えません。あれだけ
シャッター優先をウリにしてきたのに、いかにも唐突に出された「
絞り優先AE35mm一眼」である
AV-1。有名なのは
キャノンミュージアムでの苦しい言い訳(笑)。こんな
自虐的なモデルも珍しいです。
絞り優先となると、ダイアルがAE-1、A-1に比べてチョーシンプル。別に部品が多いからいいというものでもありませんけど、
どうも他のAシリーズのグッドバランスを受け継いでいないのが残念。
ただし、このAV-1の美点はA-1、特に近似のAE-1よりも
シュッとしたペンタプリズム部分。ちょっとnikonのような2段の前面、minoltaの逆のような後部に向かって広がるトップのライン。
このデザインはCANON白眉だと思います。いろんな悔しさの抵抗がここに出てるようなきもしなくもありません。ちなみにこのモデル以降
NewFDレンズが与えられている、ある意味記念すべきモデルです。
現在、どの一眼よりも市場価格が安いAV-1。時代背景で価値観を持てなかっただけで、カメラの機能は文句なし。私は多額を払わなくて済むこれを女子カメ入門機にしたらいいのではないかなぁと思います。