セミクラシックカメラの中から「気軽なカメラ」をもしひとつセレクトするなら私は間違いなくこの「
OLYMPUS TRIP 35」を指名すると思います。肩に力が入っていないこのイージーさはお散歩派には好印象。メカニズム重視の方にはこんなつまらないカメラないでしょう(笑)。外観は
PEN(EES)をそのままフルサイズにしているので間延びしたPENに見えなくもないですか、寸詰まりのPENよりカメラらしくもありなかなかバランスのいいルックスだと思います。特に「TRIP 35」というロゴがナチュラルでなじみがあります。
とにかく何もない(笑)。
巻き上げもフルサイズになったのに簡易ノブ式。こういう気楽なシステムに落ち着いたからこそ1000万台を売り上げられたのではないでしょうか
EEは複眼セレン光電池”サークルアイ”によるオート(1/30~1/250秒)。マニュアル時は1/30のシャッタースピードに固定されます。レンズは
D.ZUIKO 40mm F2.8で、ズイコーレンズの写りのよさもロングセラーに一役買ったようです。
ピントはピクトグラムによる4点ゾーンフォーカス。これまたイージー。
それにしてもPENシリーズがバカ売れになった一方、どうしてこのTRIP35も売れたのでしょう。それローライ35の登場以降ハーフそのものが下火になったと同時に、PENがどんどんマニア向けに位置づけられ、本来の手軽さから離れていってしまったからではないでしょうか。さすがに1000万台を売り上げたこの機種、中古市場では見かけないことがないくらいあふれかえっていますが、渋谷を闊歩する
カメラ女子あたりにこのTRIPの存在を知ってもらい、首からぶら下げてもらうと可愛いのになぁ、なんて思ったりします。