Nikon FEは先に発売された
FMの姉妹機で、FMのMが”マニュアル”であるのと同様、FEのEはFMから進化させて
絞り優先AEとしたのを示しているのでしょう。発売はFMの1977年の翌年、1978年。全体では中級機に位置しますが、
使ってみると大変高級感が漂うさすがニコンと思える機種です。
外観もこの時代の他社に追いつくべくコンパクト化。さらにはキャッチフレーズ「
シンプルニコン」を目指した結果「FE」の文字すらなし。この当時でモデルナンバーが明記されないなんて極めて稀有なんじゃないでしょうか。キャノンだったらデカデカと出すのに(笑)。その辺いかにもニコンらしいですね。引き締まったボディはとてもバランスがよくキャッチフレーズにそぐわぬ完成度があります。
メカニズムはFMの縦走り機械制御式シャッター、LED3灯による露出計表示とは異なり、
電子制御式シャッター、追針式表示の露出計が採用されています。電池消耗時には機械式非常用シャッター(1/90秒のみ)が働きます。
とにかく内なる所有の喜びをぐっと引き出してくれるのはNikonブランドの強みだし、操作感でもそれを感じさせてくれます。ゆえに「お散歩カメラ」視点で言うとちょっと機械っぽいというのか、マスキュリンすぎるというのか、その存在の重さがやや邪魔であることも確かです。「写真やってます!」と見えちゃうのがちょっとスマートさに欠けるかな・・。